全球凍結
地球の表面が、極から赤道までまるごと氷に閉ざされた時代があった、と考えられています。英語では「スノーボールアース(雪玉の地球)」とよばれます。
地球がまるごと凍る
全球凍結は、海の表面のほとんどが、赤道の近くまで氷に覆われた状態です。特によく知られているのは、約7.2億年前から6.35億年前のあいだで、このころに少なくとも2回の大きな凍結があったと考えられています。それより前の、約24億年前から21億年前の氷河時代(ヒューロニアン氷河時代)も、全球凍結だった可能性が指摘されています。
「スノーボールアース」という名前は、1992年にアメリカの地質学者カーシュヴィンクが付けました。
なぜ凍ったと分かるのか
手がかりは岩に残っています。
- 赤道の近くにあった氷河の跡:岩に残る磁気を調べると、当時その岩ができた場所の緯度が分かります。氷河が運んだ石や堆積物が、当時は赤道の近くにあった地域からも見つかっています。
- 氷河の跡の上の炭酸塩岩:氷河の堆積物のすぐ上に、暖かい海でできるはずの炭酸塩岩が重なっている所があります。凍った地球が、急に温暖になったことを示すと考えられています。
どうして凍り、どうして解けたのか
氷は日の光をよくはね返します。氷が広がると、地球が受け取る熱が減り、さらに冷えて氷が広がります。ある所を越えると、この流れが止まらなくなり、地球全体が凍りついたと考えられています。
では、どうやって解けたのでしょうか。凍った地球でも、火山は二酸化炭素を出しつづけます。ふだんなら、二酸化炭素は雨に溶けて岩と反応し、少しずつ空気から取り除かれます。ところが地球が凍っていると、この働きがほとんど止まります。何百万年もかけて二酸化炭素がたまり、その温室効果で、やがて氷が一気に解けた、と考えられています。
生き物はどう生き延びたのか
全球凍結のあいだも、生命は途絶えませんでした。深海の熱水噴出孔のまわりは、凍った地球でも温かいままです。氷の薄い所や割れ目では、光合成をする生き物も暮らせたのかもしれません。生き物は、こうした限られた場所で、凍結の時代を耐えたと考えられています。
全球凍結が終わったあとの海には、エディアカラ生物群とよばれる、やわらかい体の大きな生き物が現れました(約5.7億年前)。そして約5.39億年前、動物のなかまが一気に現れるカンブリア爆発が始まります(次の読みもの)。
ゲームでは
約7.2億年前から6.35億年前の全球凍結は、決まった時期に来る大事件です。地球の気温が一気に下がり、熱水のそばなど深い所に暮らす系統以外は大打撃を受けます。深い所にいない系統には、このとき「凍りつく海」という決断が来ます。どの答えにも代わりに失うものがあり、氷の下の熱水のそばへ移るのも、楽な道ではありません。
約24億年前から21億年前の寒冷化でも、浅い所に暮らす系統は打撃を受け、同じ決断が来ます。寒い時代を乗り切るには、多様性を保ち、「合わせる」で好む温度を環境に近づけておくことが助けになります。
年代は推定値で、研究によって幅があります。全球凍結が本当に地球全体に広がったのかについては、議論も続いています。