最初の生命はどこで生まれたのか
最初の生命がいつ、どこで生まれたのかは、まだ分かっていません。ただ、いくつかの有力な説と、いまの地球に残る手がかりがあります。ゲームの5つの誕生の場所も、こうした説をもとにしています。
いつ生まれたのか
地球が生まれたのは約46億年前です。生まれたばかりの地球は、表面がマグマの海におおわれ、生き物が暮らせる場所ではありませんでした。表面が冷えて海ができたあと、どこかで最初の生命が生まれました。
確かな手がかりとしてよく知られているのは、約35億年前の岩です。光合成をする細菌がつくった層状の岩(ストロマトライト)や、生き物がいた跡とされるものが見つかっています。もっと古い手がかりの報告もありますが、本当に生き物の跡なのかは議論が続いています。
いまいるすべての生き物の共通の祖先は約42億年前にいた、とする推定もあります(2024年の研究)。ゲームでは、約40億年前のどこかで最初の生命が生まれる、としています。
生命の材料はどこから来たのか
生き物の体は、アミノ酸や脂質など、炭素を含む分子でできています。こうした材料がどうやってできたのかについては、昔から実験と観察が重ねられてきました。
- 1953年のミラーの実験では、原始の大気をまねたガスに電気の火花を当てると、アミノ酸ができました。
- 1969年にオーストラリアに落ちたマーチソン隕石からは、アミノ酸など多くの有機物が見つかっています。空から材料が届いた可能性もあります。
- 紫外線は分子を壊しますが、生命の材料になる分子をつくる反応も進めた、という説があります。
- 石けんに似た脂質の分子は、水の中で自然に袋の形になります。これが最初の細胞の膜のもとになった、と考えられています。
ゲームの5つの誕生の場所
ゲームでは、最初の生命が次の5つのどこかで生まれます。どれも、生命が生まれた場所の候補として研究者が考えている所です。それぞれに、いまの地球に残る手がかりを添えます。ただし、どれも「ここで生まれた」という証拠ではありません。
深海の熱水噴出孔
海底から熱い水が噴き出す所です。熱水には、生き物のエネルギーになる物質が溶けています。日の光が届かない深海でも、化学反応のエネルギーで生きていける場所として、生命が生まれた場所の有力な候補になっています。
カナダ東部のヌブアギトゥクでは、海底の熱水噴出孔でできたとされる37億年以上前の岩から、微生物の化石かもしれない細い管が見つかったという報告があります。生き物の跡かどうかについては、異論もあります。
海底の岩のすき間
アルカリ性の温かい水がしみ出す岩には、小さな穴がたくさんあります。この穴が、最初の細胞の入れ物になったという説があります。
大西洋の海底では、2000年に「ロストシティ」とよばれる場所が見つかりました。pH 9 以上のアルカリ性で、40〜90℃ほどの水がしみ出し、炭酸塩の白い塔が立ち並んでいます。
火山島の温泉の水たまり
ダーウィンは1871年の手紙で、生命が「温かい小さな池」で生まれたのではないかと書きました。陸の温泉の水たまりは、乾いたり濡れたりをくり返すので、分子がつながって大きくなりやすい、という考え方もあります。
オーストラリア西部のピルバラには、約35億年前の温泉の跡が残っています。そこから、微生物がいた跡とされるものが見つかっています。陸の温泉に生き物がいたことを示す、最も古い手がかりのひとつと考えられています。
浅い海の干潟
潮が満ちたり引いたりする干潟では、粘土や鉱物の表面に分子が集まります。粘土鉱物の表面が、生命の材料となる分子をつなげたという説があります。
南アフリカのバーバートンには、約32億年前の干潟の地層が残っています。砂や泥の干潟の地層としては、よく残ったものでは地球で最も古いもののひとつで、微生物がつくった膜(微生物マット)の跡が広がっています。
海氷の下の割れ目
海の水が凍ると、氷の中に塩水の細い通り道が残ります。氷の中では塩や分子が濃くなり、反応が進みやすくなる、という説もあります。
いまの北極や南極の海氷の中でも、この塩水の細い通り道に微生物が暮らしています。
当時の地球のようす
- 陸が少なかった:海に火山の島が点々とあり、大陸のかけらのような小さな陸地があるだけだったと考えられています。
- 火山がさかんだった:若い地球は内部が今より熱く、火山の活動がさかんだったと考えられています。
- 月が近かった:生まれたばかりの月は今よりずっと地球に近く、潮の満ち引きは今よりはるかに大きかったと考えられています。
- 隕石が多かった:約38億年前ごろまでは、隕石が多く降りそそいだと考えられています(異論もあります)。
ゲームでは
生まれる場所はくじで決まり、誕生記録に「ここに生まれる確率」が出ます。場所ごとに水温や、起きやすい出来事が違います。たとえば熱水噴出孔のそばでは、噴出孔の活動が弱まると材料が足りなくなります。温泉の水たまりは干上がることがあり、水面に近い場所では強い紫外線を浴びます。
遊ぶたびに「この地球のくせ」も決まります。隕石の雨が長引く地球、火山のさかんな地球、潮の大きな地球、材料の濃い海、紫外線の強い空のどれかです。くせによって、序盤に起きやすい出来事が変わります。
参考
- Dodd, M. S. ほか(2017)Nature。ヌブアギトゥクの熱水噴出孔の岩から見つかった、微生物の化石かもしれない細い管の報告。
- Djokic, T. ほか(2017)Nature Communications。ピルバラのドレッサー層(約34.8億年前)の温泉の跡と、生き物の跡とされるもの。
年代は推定値で、研究によって幅があります。